法人の中間申告書(予定申告書)について
法人税の中間申告
1、概要(法人税法71条)
法人は事業年度が6カ月を超える場合、中間決算日から2か月以内に中間申告書を提出しなければなりません。
2、中間申告書の提出義務の判定
下記の金額が10万円未満の場合は中間申告書を提出する必要はありません。
「前事業年度の確定法人税額」÷事業年度の月数×6
また、法人税の中間申告書を提出する必要のない法人は「都道府県民税・事業税・特別法人事業税及び市民税」についても提出する必要はありません。
3、中間申告の方法
通常は①の方法により中間申告を行います。
②の方法は、当期の業績が前期に比べ著しく悪い場合などに①に変えて選択することができます。
①前年度実績による予定申告
「前事業年度の確定法人税額÷事業年度の月数×6」で計算した金額を中間分の税額として申告します。
(例)1,000,000円÷12月×6月=499,999円 → 499,900円(百円未満切捨て)
法人税の中間(予定)税額の算出方法について|国税庁 (nta.go.jp)
②仮決算による中間申告
事業年度開始の日の6カ月の期間を1事業年度とみなして仮決算を行い申告します。
ただし、下記の場合には中間申告はできません。
a、「前事業年度の確定法人税額÷前事業年度の月数×6」≦ 10万円
b、「前事業年度の確定法人税額÷前事業年度の月数×6」< 仮決算による中間申告による法人税額
消費税の中間申告(個人事業主も該当する)
1、概要(消費税法42条)
消費税の課税事業者は、中間申告が不要の事業者を除き、申告期限※までに中間申告書を提出およびその申告書に記載の税額を納付しなければなりません。
※原則、中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内
No.6609 中間申告の方法|国税庁 (nta.go.jp)
2、中間申告提出義務の判定
①中間申告が不要の事業者
a、設立1期目の法人(合併によるものを除きます)
b、その年に開業した個人事業者
c、課税期間の短縮の特例を受けている事業者
d、直前課税期間(前事業年度)の確定消費税額(国税※)が48万円以下
※標準税率の場合7.8%、軽減税率の場合6.24%
なお、任意の中間申告制度(消費税法42条)もありますが、ここでは詳細は割愛致します。
②中間申告の方法(a、b のいずれかを選択することができます)
a、直前課税期間の実績による方法(消費税法42条)
税務署から送付される中間申告書(26号様式)を提出します。
納付税額は直前の課税期間の確定消費税額に応じた中間納付税額が中間申告書に記載されています。
b、仮決算による中間申告(消費税法43条)
中間申告対象期間を一課税期間とみなして確定申告と同様の税額計算(仮決算)を行い、中間納付税額を計算します。
申告書の様式は、確定申告と同じです。
※仮決算の結果、控除不足還付税額が生じても、中間納付額は「0円」となり還付を受けることはできません。
③中間申告の回数
直前課税期間の確定消費税額(国税)の金額に応じて下記の通りとなります。
直前の課税期間の確定消費税額(国税) | 申告回数 | 中間納付額 |
48万円超~400万円以下 | 中間申告1回 確定申告1回 | 直前課税期間の確定消費税額の6/12 |
400万円超~4,800万円以下 | 中間申告3回 確定申告1回 | 直前課税期間の確定消費税額の3/12 |
4,800万円超 | 中間申告11回 確定申告1回 | 直前課税期間の確定消費税額の1/12 |
中間納付額の具体例
(前提)
・前の課税期間の確定消費税額(国税)が50万円
・標準税率10%のみで、国税7.8%、地方税2.2%
→中間申告は1回で、中間納付税額は約32万円となります。
(50万円×6/12+50万円×6/12÷7.8%×2.2%≒32万円)