法人の主な税金

法人税

1、法人税の課税根拠
 応能説や応益説の考え方が根底にある。
  応能説:税負担の能力に応じて税を負担すべき
  応益説:国家から与えられている便益に応じた税負担をすべき
 (出典:法人税 - Wikipedia

2、税率

法人区分資本金課税所得適用除外事業者税率
2019年4月1日以後
普通法人1億円以下年800万円以下の部分下記以外15%
適用除外事業者19%
年800万円超の部分23.2%
1億円超23.2%

 No.5759 法人税の税率|国税庁 (nta.go.jp)

地方法人税

1、地方法人税の概要
法人道府県民税の一部を転換し、地方財政の不均衡を緩和する目的で2014年に創設された。
法人税と併せて国が徴収し、全額が地方交付税の原資となる。
地方法人税 - Wikipedia

2、税率
地方法人税率 2019年10月1日以後に開始する事業年度
 課税標準法人税額×税率(10.3%)

地方法人税の税率の改正のお知らせ|国税庁 (nta.go.jp)

法人住民税

1、法人住民税の概要
・法人住民税は地域社会の費用について、その構成員である法人にも、個人と同様幅広く負担を求めるもの(総務省|地方税制度|法人住民税・法人事業税 (soumu.go.jp))。
・法人住民税には、道府県民税と市町村民税があり、東京都特別区(23区)は両者をまとめて都民税として課税される。
・法人の道府県民税、市町村民税、都民税には、均等割と法人割がある。
・法人は事務所等の所在する都道府県及び市町村に対し、法人の事業年度を算定期間として均等割と法人税割を納める義務がある。
・事務所等がない場合でも、寮等があるときは、その寮等の所在する都道府県及び市町村に対し、均等割を納める義務がある。

2、均等割の概要
・均等割の税率は、地方税法に定められている標準税率を基準に、各都道府県又は市町村の条例で定められている。
・政令指定都市は、政令指定都市の区を1つの市の区域とみなして市町村民税の規定を適用する。
・東京都は、他の都道府県及び市町村と異なり特別な取扱いが設けられている。

沖縄県の法人県民税の均等割

資本金等の額税額(年)
都道府県民税
50億円超80万円
10億円超50億円以下54万円
1億円超10億円以下13万円
1千万円超1億円以下5万円
1千万円以下2万円
リンク先:県税Q&A【法人県民税・法人事業税】/沖縄県 (pref.okinawa.jp)

沖縄市の法人市民税の均等割額

資本金等の額従業者数税額(年)
市町村民税
50億円超50人超300万円
10億円超50億円以下50人超
50人以下
175万円
41万円
1億円超10億円以下50人超
50人以下
40万円
16万円
1千万円超1億円以下50人超
50人以下
15万円
13万円
1千万円以下50人超
50人以下
12万円
5万円
リンク先:法人市民税について | 法人住民税 | 税金 | 暮らしの情報 | 沖縄市役所 (city.okinawa.okinawa.jp)

3、法人税割の概要
・法人税割の税率は、地方税法において標準税率と制限税率が定められている。
・都道府県及び市町村は、条例により標準税率を基準に制限税率の範囲内で独自の税率を定めることができる。
 法人税額×税率

沖縄県の法人県民税の法人税割の税率

法人区分税率
下記以外の法人1.0%
・資本金の額又は出資金額が1億円超の法人
・資本金の額又は出資金額が1億円以下で法人税額が年1,000万円超の法人等
・保険業法に規定する相互会社
1.8%
参考:r2_houjinzeiwari_choukakazei.pdf (pref.okinawa.jp)
   000771847.pdf (soumu.go.jp)

法人市民税の法人税割の税率
・那覇市 6% リンク先
・沖縄市 6% リンク先

法人事業税

1、法人事業税の概要
法人事業税は、法人が行う事業そのものに課される税であり、法人がその事業を行うに当たって地方団体の各種行政サービスの提供を受けることから、これに必要な経費を負担すべきであるという考え方に基づき課税されるものです。事務所等を有する法人に、その事務所等が所在する都道府県が課税します。総務省|地方税制度|法人住民税・法人事業税 (soumu.go.jp)

2、沖縄県の法人事業税の税率

区分法人の種類所得等の区分税率※2
ア、イ及びウ以外の事業①普通法人所得割 年400万円以下の所得
所得割 年400万円超800万円以下の所得
所得割 年800万円超の所得及び軽減税率不適用法人
3.5%
5.3%
7.0%
②特別法人所得割 年400万円以下の所得
所得割 年400万円超の所得及び軽減税率不適用法人
3.5%
4.9%
③外形標準法人所得割 年400万円以下の所得
所得割 年400万円超800万円以下の所得
所得割 年800万円超の所得及び軽減税率不適用法人
付加価値割
資本割
0.4%
0.7%
1.0%
1.2%
0.5%
イ、電気供給業※3
  ガス供給業
  保険業
  貿易保険業
収入割1.0%
ウ、小売電気事業
  発電事業
①②の法人収入割
所得割
0.75%
1.85%
③の法人収入割
付加価値割
資本割
0.75%
0.37%
0.15%
※2:2020年4月1日以後に開始する事業年度
※3:小売電気事業・発電事業を除く
リンク先:SKM_C550i21020214320 (pref.okinawa.jp)

外形標準課税の対象法人の要件 外形標準課税は、事業年度末日における資本金の額が1億円を超える法人 (公共法人等やみなし課税法人、特別法人、特定目的会社、投資法人、人格のない社団等、一般社団法人及び一般財団法人を除く。

特別法人事業税

1、特別法人事業税の概要
特別法人事業税とは、地方法人特別税の後継として特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律に基づき課せられる法人に対する国税。2019年10月より適用。
国税の1つであるが、都道府県が法人事業税とともに徴収する。法人事業税同様、損金に算入される。
法人税の確定申告書の別表五(二)「租税公課の納付状況等に関する明細書」では事業税の欄に、法人事業税と特別法人事業税を合算して記載する。

 基準法人所得割額(法人事業税額)×税率

2、税率
沖縄県の特別法人事業税の税率

課税標準法人の種類税率
基準法人所得割額外形標準課税適用法人260%
上記以外(特別法人を除く)37%
特別法人34.5%
基準法人収入割額30%
リンク先:SKM_C550i21020214320 (pref.okinawa.jp)

法定実行税率の計算

実行税率の計算対象とする税金は、法人の利益にかかる税金です。
日本の法人の利益に係る税金は、以下の5種類です。
参考例として、外形標準課税適用法人を前提に下記税率とします。

種類課税標準税率課税標準
考慮後の税率
備考
法人税所得割23.2%23.2%所得金額×法人税率
地方法人税法人税割10.3%2.3896%法人税率×地方法人税率
法人住民税法人税割7.8%1.8096%法人税率×法人住民税率
法人事業税所得割1%1%所得金額×法人事業税率(超過税率※1)
特別法人事業税事業税割260%2.6%法人事業税率(標準税率1%)×特別法人事業税
ただし、超過課税の場合は標準税率を使用する。
※1:沖縄県は超過税率なしのため1%を使用しています。

【大法人の場合】
課税標準考慮後の税率合計=30.999%
実行税率=30.999/1.036=30.095・・・% → 29.92%
※法人事業税は損金算入されるため法人事業税率分の影響を考慮する(割り戻す)

ご参考:【税効果会計】法定実効税率の計算方法【2022年現在】|矢野譲公認会計士・税理士事務所 (yano-cpa.com)
     ベンチャーインク会計事務所 | (ventureinq.jp)

社会保険料

介護保険なしの場合(2021年度)

健康保険料率※1厚生年金保険料※1雇用保険※2労災保険※2,3合計
従業員負担4.975%9.15%0.3%14.425%
会社負担4.975%9.15%0.6%0.25~8.8%14.725%
※4
合計9.95%18.3%0.9%0.25~8.8%29.15%
※4
※1:標準報酬額をもとに算定する。
※2:賃金総額をもとに算定する。
※3:業種によって率が異なる。
※4:労災保険除く。
令和3年度保険料額表(令和3年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
雇用保険料率について |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
令和3年度の労災保険率について~令和2年度から変更ありません~ (mhlw.go.jp)

介護保険ありの場合(2021年度)

健康保険料率※1厚生年金保険料※1雇用保険※2労災保険※2,3合計
従業員負担5.875%9.15%0.3%15.325%
会社負担5.875%9.15%0.6%0.25~8.8%15.925%
※4
合計11.75%18.3%0.9%0.25~8.8%31.25%
※4
※1:標準報酬額をもとに算定する。
※2:賃金総額をもとに算定する。
※3:業種によって率が異なる。
※4:労災保険除く。
令和3年度保険料額表(令和3年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
雇用保険料率について |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
令和3年度の労災保険率について~令和2年度から変更ありません~ (mhlw.go.jp)

事業所税

事業所税 は、日本の指定都市等が、都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用に充てることを目的として、課す税金である(地方税法701条の30)。 地方税であり、1975年に創設された。

人口30万人以上の都市が、企業の業績にかかわりなく一定の規模以上の事業所に課す。その使途は、法律によって定められ、道路、学校、上下水道など整備事業、公害防止、防災事業に充当される。 かつては事業に係る事業所税と新増設に係る事業所税に区分されていたが、後者は2003年3月をもって廃止された。

納税義務者(次のいずれかに該当する場合納税義務を負う)
①資産割:資産割都道府県内で、使用する事業所等の床面積の合計が1,000平方メートルを超える規模で事業を行う法人と個人事業者
1平方メートル当たり600円。
②従業員割都道府県内で、従業者数の合計が100人を超える規模で事業を行う法人と個人事業者。
給与総額の0.25パーセント。

申告と納付
法人は事業年度終了の日から二月以内に申告納付をし、個人事業者はその年の翌年3月15日までに申告納付をする。

該当する指定都市等は下記リンク先参照。

リンク先:事業所税 - Wikipedia

各税金と別表等の対応関係

別表等税目備考
別表一法人税法(国税)国に納付
別表一地方法人税(地方税)国が徴収し地方自治体に配分
第六号様式道府県民税(地方税)都道府県に納付
第六号様式事業税(地方税)都道府県に納付
第六号様式特別法人事業税(地方税)都道府県に納付
第二十号様式市町村民税(地方税)市町村に納付
第一表消費税(国税)及び地方消費税(地方税)国に納付

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